ネズミは、世界中のどこにでも生息していて、そのほとんどが夜行性です。
また、繁殖力が旺盛で、ハツカネズミなどのネズミは一度の出産で6~8匹生むことができるので、わずか3~4週間程度で子供が産めるようになります。
丸い耳、とがった鼻先、長い尻尾といった、同じような特徴をもっているため、見た目で種を見分けることは難しく、頭骨や歯によって見分けられています。
ネズミの前歯は一生伸び続けるという特徴を持ち、歯が伸びて口をふさがないように常に硬いものをかじって前歯をすり減らす習性があります。
中世のヨーロッパでは、ネズミはペストの媒介動物でした。
イエネズミと呼ばれる身近なネズミ(ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの3種)は、現代でも病原体を媒介したり樹木や建物、電気機器などの内部やLANケーブルなどをかじったりして人間に直接・間接の害を与える衛生害獣です。
ネズミは人間が収穫した穀物を盗んで食べたり、人間の乳児や病人などはネズミにかじられてしまうこともあります。
人間がネズミにかじられて指を失った事例なども世界中にあります。
イノシシは犬と同じくらい鼻が敏感で神経質な動物です。低山帯から平地にかけての森林~草原で生息し、水場が近い場所を好みます。
植物の地下茎・果実・タケノコなどを食べる草食に非常に偏った雑食性です(季節により昆虫類・ミミズ・サワガニなどの動物も食べます)。
農作物も食べるため、それを求めて人家近辺にも出没することもあります。
基本的には昼行性で日中に餌を探して活動しますが、夜にも活動することがあります。
非常に突進力が強く、神経質で警戒心の強い動物なので、ねぐらなどに不用意に接近した人間を襲うケースも多くあります。
イノシシの大きな体で全力の突撃を受けると、大人でも跳ね飛ばされて大けがを負ってしまいます。
オスの場合には非常に鋭い牙で鼻をしゃくり上げるようにして突進して攻撃してきます。
牙による攻撃は成人の太ももの高さに当たるため、太ももの動脈を破られて失血死するケースが多く、非常に危険です。
メスは牙が短い為、牙を直接用いた攻撃をする事は少ないが、代わりに大きな顎で噛み付かれると大けがを負うことがあります。
日本にはニホンジカが生息しています。
草食性で、樹皮や植物、穀物・野菜・果物などのあらゆる農作物を食べます。
オスは枝分かれしたツノを持ちます。
農家にとって困るのが、農作物の食害です。畑や田んぼの作物を食い荒らし、踏み荒らしてきます。
樹木の皮も食べるため、森林が鹿の食害により枯れてしまうといったケースもあります。
その他の被害では、樹木へのツノのこすりつけ被害や衝突事故などが多発しています。
主に山岳地帯や森林に生息します。秋期に豊富に栄養を摂って冬季に冬ごもりを行います。冬眠中のクマは体温が下がり、呼吸数や心拍数が減るとともに、餌や水を口にしなくなるだけでなく、排泄や排尿も見られなくなります。主に植物食傾向の強い雑食です。成獣の雌は7~8か月の妊娠期間を経て、約1~4子(平均で約2子)を出産し、冬ごもり中に幼獣を産みます。
冬ごもりのための食料を獲る時期の秋口を中心に、クマが人里へ下りて人間に危害を加えたり、農作物を食い荒らすなどの被害が多く報告されています。人間が襲われる事もあり、一度人間の肉の味を覚えたクマは、今度は人間そのものを「エサ」と看做し、手当たり次第人間を襲うようにります。この場合、早急に駆除をする必要がありまが、クマ狩りをすると北海道のヒグマなどは気配を消し待ち伏せする事もあるので注意が必要です。
常緑広葉樹林や落葉広葉樹林に生息します。昼行性ですが、積雪地帯では吹雪の時は日中でも活動しません。群れは1~80平方キロメートルの行動圏内で生活します。行動圏は常緑広葉樹林では狭く(1頭あたり1.4~6.4ヘクタール)、落葉広葉樹林内では広くなります(1頭あたり9~79ヘクタール)。食性は植物食傾向の強い雑食で、主に果実を食べますが、植物の葉、芽、草、花、種子、キノコ、昆虫なども食べます。下北半島の個体群は食物が少ない時期に樹皮、海藻、貝類なども食べます。春季は花や若葉、夏季は漿果、春季から冬季にかけては果実や種子を食べます。
一般に、「農林作物被害」「人身被害」「物の被害」です。
住宅街で農産物を荒らすほか、屋根瓦を壊したり屋内に侵入したり、頭がいい動物のため人慣れが進むと人から物を奪い取ったり、人に危害を加えることもあり社会問題にもよく取り上げられています。
イタチ(鼬、鼬鼠)は、ネコ目イタチ科イタチ属の総称で、オコジョ、イイズナ、ミンク、ニホンイタチ・フェレットなどがイタチ属に分類されています。
食性は雑食のため、ニワトリ・ネズミ・ウサギなどの小動物、果実を食べます。
床下や天井裏に住みつくことがあります。非常に素早く、凶暴で泳ぐこともできます。
民家に巣を作って騒音や糞尿の悪臭、尿によるシミ、感染症を引き起こす原因にもなったり、ダニやノミ、アレルギーの原因になることもあります。
また、民家に侵入して食品や生ごみを漁ったり、家畜を食べたりします。
植物食中心の雑食性で、果実、種子、小動物、鳥、鳥の卵などを食べ、中でも果実を好みます。木登りが得意で、樹洞、タヌキなどの動物が使い古した巣穴などを棲みかにします。民家の軒下・屋根裏などに棲み着くこともあります。夜行性で、昼間は住処に潜んでいる。年間を通して発情・出産をします。
果樹園に入り込み、ミカン、モモ、ナシ、カキなどを食べ荒らすしたり、トマト、ウリ類のビニールハウスに侵入することもあり、深刻な農業被害を与えることがあります。糖度の高い果樹・野菜を好み、ネットの隙間等、頭部が潜れる大きさの隙間ならば侵入できるので、小さな穴も補修する必要があります。このほか、民家の屋根裏に棲み着き、足音による騒音や糞尿による悪臭で、生活被害をもたらす事もあります。
日本では「鳥獣保護法」により狩猟獣に指定され、駆除対象となっていいめ、実害を理由とした、鳥獣保護法に基づく都道府県などの許可が必要で、「住宅街をうろついている」など民間人の予防的捕獲は許されていません。
夜行性で、単独もしくはペアで、森林で生活しています。
食性は雑食なので、果鳥類、ノネズミ類などの小型動物、昆虫、作物や果実類や魚介類も食べます。
湿地の茂みの中も自由に行動でき、泥地の歩行や遊泳など水辺でも活動します。
秋になると冬に備えて脂肪を蓄え、積雪の多い寒冷地では、冬期に穴ごもりすることが多くあります。
農作物の食害、糞による悪臭の被害、生ゴミの食い荒らし被害があります。
山林が主な生息地ですが、近年は山林の減少にともない、タヌキの都市進出が進んでいて、ゴミ捨て場を食い荒らしてしまいます。
また、ペット(飼い犬・飼い猫)を起源とする疥癬症に感染する例があり、影響が心配されています。
夜行性で小さな家族単位で生活する。
都市や山などさまざまな場所で生息し、森林と畑が混在しているような場所を好みます。
動物食を中心とした雑食性です。鳥、ウサギ、齧歯類などの小形動物や果物などを食べます。
餌が少ないと農作物や家畜(ニワトリ)などを食べ、ゴミを漁ったりします。
非常に用心深い反面、賢い動物で好奇心が強いので、大丈夫と判断すると大胆な行動をとったりします。
人に慣れることで、白昼に観光客に餌をねだるようになる事が問題になっている。
夜行性で森や茂みの中で生活します。単独で行動するため、ライオンのような群れで行動する事は少ないです。
日本では、飼い猫と野良猫に分けられ、猫の行動範囲は、餌場と寝場所に分かれ、野良猫の行動半径は約500m。都会や集合住宅などに住む人から餌をもらえる場所をテリトリーに持つ猫は行動半径約200m。室内飼育されている猫の場合は、室内すべてテリトリーになります。
近世以降、人間の住居に出入り自由な形で飼育されてきたネコは、都市住宅地域においては、トラブルを発生させる例が多々あります。
地域の野良猫が増えすぎた場合は、野良猫による繁殖期の騒音、糞尿による臭気や衛生面の被害、飼いネコや人への伝染病や寄生虫の感染、生ゴミ荒らし等の食害、皮屑や抜け毛がアレルゲンとなるアレルギー性喘息や気管支炎の発症、飼い猫などへの危害、爪とぎなどによる自動車や家屋などへの物損全般、ほか行政によるそれら被害への対応など諸々の問題も、野良猫の個体数に比例して増加することになる。ことに餌づけを日常的に実施する人物がいる場合などは、そこから地域住民間の対立を生むことも多いようです。
イヌの属するイヌ科は、森林から開けた草原へと生活の場を移して追跡型の狩猟者となった食肉類のグループです。待ち伏せ・忍び寄り型の狩りに適応したネコ科の動物に対して、イヌ科の動物は、細長い四肢など、持久力重視の走行に適した体のつくりをしています。
毎年世界中で約5万人の死者を出しています。
人間に感染した場合、水などを恐れるようになる特徴的な症状があるため、恐水病または恐水症と呼ばれることもあります。実際は水だけに限らず、音や風も水と同様に感覚器に刺激を与えて痙攣等を起こします。日本では、感染症法により、イヌなどの狂犬病については狂犬病予防法の適用を受け、ウシやウマなどの狂犬病については家畜伝染病として家畜伝染病予防法の適用を受けています。
森林性のコウモリについては、その生活の場である自然の広葉樹林と、それ以上に、住みかとなる樹洞ができるような巨木が極めて減少しており、棲息環境そのものが破壊されていることが、大きな問題となっています。
洞穴に生活するものは、集団越冬の場所などが天然記念物となっている場所あります。生活そのものも、未だに謎が多く具体的な習性については、現在研究が進められつつある段階です。
民家に侵入し巣を作ると、外壁・天井板等に糞や尿によるシミや異臭悪臭は特に梅雨時に多くなります。侵入した出入り口が黒ずみ変色したり、寄生ダニ (カズキダニ)による吸血等の被害例あるようです。特にトタンなどのサビ等や、アレルギー症状を引き起こす原因となりますので注意が必要です。コウモリで狂犬病に感染することもあり、空気感染の無いものの、直接接触しなくても空中から撒き散らされるウイルスに人が感染したとされる例もあるようです。
モグラは地下にトンネルを掘り、その中で生活します。積極的に穴掘りを行うわけではなく、既存のトンネルの修復や改修である。
モグラは一生地面から出ないイメージがあるがありますが、実際には昼間でも地上に現われる場合があり、移動中やむなく水辺に当たった場合などは泳いで移動をする事もあります。
大食漢で、胃の中に12時間以上食物が無いと餓死してしまいます。餌が手に入らなかった場合の対策として、唾液に麻酔成分が含まれており、それによって獲物を噛んで仮死状態にして巣に貯蔵しておくという習性を持っています。
地表付近にトンネルを掘りトンネル内に落下してきた獲物を感知・採取する習性があるため地上には土の盛り上がった場所ができ、お庭や運動場・ゴルフ場の芝生が被害を受けているようです。
農作物の被害では、畑などの土壌にとって益虫であるミミズが食べられる被害や、巣の中に入った植物の根を傷つけたり荒らされるため、根が張りにくくなり作物の生育が悪くなる被害があります。
その他にも、トンネルに侵入したネズミが作物を食べてしまうケースや、巣が土の保水力を低下させ、植物の生育が悪くなるケースがあります。